球磨川導水トンネル計画

はじめに
 2020.7.4に人吉の球磨川にて大氾濫が起きました。
 数多くの人達が家を失い、命を失い、家族も失ってしまいました。
 この大氾濫の原因は「温暖化による海水面の温度上昇」にあると言われています。
 この球磨川の大氾濫に限らず、ここ数年、各地でこのような災害に見舞われています。

「球磨川導水トンネル(仮称)計画」
 そこで、巨大降雨対策構想として「球磨川導水トンネル(仮称)計画」をまとめてみました。

検討の結果
 概算建設費用は1,416億円(新型コロナ持続化給付金委託費 796億円の1.8倍程度)
 洪水流量の1割がカット出来ます。球磨川の水深が3m程度下がります。
導水トンネル2本で2330m3/secの導水が可能であり,川辺川ダム(2200億円)の治水能力3000m3/secと、費用対効果についても遜色が無いものと思われる:

 熊本日日新聞で紹介された「流域治水」の一翼を担うものと考えます。

--熊本日日新聞2020年7月10日(金曜日)は--
「流域治水 球磨川でも新たな計画を」
 県南部を中心とした3日からの豪雨では、球磨川の12カ所が氾濫・決壊した。
土砂崩れも相次ぎ、犠牲者は日を追って増えている。活発化した梅雨前線はさらに福岡や大分県など九州北部、中部地方にも被害を及ぼした。
人命のみならず、家屋の浸水、橋の流失、道路や堤防の崩壊など、各地に大きな爪痕を残している。
今年に限ったことではない。日本列島は、死者が数十人を超えるような風水害に毎年のように見舞われている。そうした現状を踏まえ、国土交通省が防災・減災の新たな在り方として打ち出したのが「流域治水」である。ダムや堤防だけに頼るのではなく、流域のあらゆる力を集めて豪雨災害を防ぐ、という考え方だ。
地球規模の気候変動の影響で、水害を含めた自然災害は大規模化・頻発化している。もはや従来のやり方では対処できず、国交省の方向性は間違っていないだろう。      
球磨川をはじめ、河川ごとの計画を急いで策定するべきだ。これまで治水は、主に国管理の多目的ダム(治水・利水)や河川の堤防を中心に考えられてきた。だが、ハード整備には時間がかかり、それだけに頼るのは限界がある。このため新たな考え方では、国、自治体、企業、住民など流域のあらゆる関係者に協力を求め、ソフトを含め対策を総動員する。  
具体的には
(1)土砂災害の危険性がある地域の開発規制や住宅移転
(2)雨水をためる遊水地、ビルの地下貯水施設整備
(3)ため池や田んぼの貯水機能の活用
(4)高架道路の避難所活用
(5)鉄道橋の流失防止のための補強-などを進める。
農業や発電用の利水ダムについても、大雨を予想して事前放流し、雨水のせき止めに役立てる。多くは自治体や電力会社の運営だが、国は全国955カ所のダムと既に協定を結んでおり、事前放流が可能になっている。
国交省は全国109の1級水系について、地域の実情に応じた「流域治水プロジェクト」を策定するとしている。一刻も早く実行してもらいたい。
1級河川の球磨川水系では、1963年から3年続けて大きな洪水が発生。国は66年、治水目的の「川辺川ダム」建設計画を発表した。しかし流域に賛否もあって事業は進まず、2008年に蒲島郁夫知事が建設反対を決めた。
その後、国、県、流域自治体で「ダムによらない治水」の在り方を協議。川底掘削、堤防かさ上げ、遊水地の整備などを組み合わせた10案が候補に挙がった。だが現在までに決定には至らず、その中で今回の豪雨災害が起きた。
また、球磨川流域では県営市房ダムなど6ダムで事前放流が可能となっていた。だが、豪雨の予測が難しいこともあって現実には実行されず、今後に課題を残した。
国、県、自治体は今後、「流域治水」の考え方も踏まえて球磨川水系の新たな治水プロジェクトを策定すべきだ。その根底には当然、今回の被害の検証がなければならない。と結んでいる。

球磨川に限らず、新たな発想での治水対策が「待ったなし」で実行する必要があると考えます。


 


1.計画概要

1. トンネル種別 導水トンネル
2. トンネル延長 24,700 m 2本
3. トンネル勾配 0.365%
4. トンネル径 φ12m
5. 流入口 球磨川沖鶴橋付近 北緯32.229036
PH=90.0m     東経130.698779
6. 流出口 有明海犬瀬崎付近 北緯32.250494
PH=0.0m     東経130.428207
7. 河川流量算定諸元
坑口流域面積145,166 ha
     ( 1452 ) km2
流出量 31,497 m3/sec  ※九州北西部 想定最大外力  降雨継続時間 2.22時間       球磨川流下量 29,789m3/s 川辺川ダム(2200億円)の治水能力は3000m3/sec
   トンネル分配量 2,336m3/sec

※想定最大外力とは国土交通省国土保全局のハザートマップ作成用の浸水想定最大外力を指す

8. トンネル概算工事費 1,416 億円


2020年08月23日